社会的なパグ

フェミニストなのに広告会社にいる。迷いながら生きています。

マスクをしていると笑わなくていいから楽だということに気がついた

女性に対して、笑顔を褒めることが多いけれど、それってどうなん?という話を友人として以来、「女性の笑顔」というものが気になるようになってしまった。

 

女性は常に笑顔でいるのが良いことだとされている。
「笑顔でいる」こと自体は、本当は男女ともに良いことのはずなのに、女性の方が小さいときから愛想を求められる傾向が強い。
「女は愛嬌、男は度胸」と古今東西でも歌われている(ような気がする)。

 

 

先日放送された、“笑ったら負け”ルールの「女子メンタル」の企画内でも、初めの探り合いトークの段階でもう浜口京子が笑ってないか?という指摘があったけど、それって笑顔が顔に張り付いているからじゃないか?と考えてしまった。
そうなると、もうそこはノーカンにしていただきたい…と副音声の男性芸人たちにすら、なんだかムカついてしまった。

 

それから、仕事の会議中にも参加者の表情を凝視するようにもなった。
男性は笑わない。発言内で冗談を言って笑わせ合ったりはするけど、「お疲れさまです」と挨拶して入ってきた瞬間に笑顔なのはみんな女性。
やはり、「女は愛嬌」の刷り込みの深さを感じる。

 

かく言うわたし自身も、女性に笑顔で対応していただいた時などはすごく素敵な気分で時を過ごしてしまったりする。一方で、ニコニコした男性に対して、時と場合によっては「こいつヘラヘラしてるな」と思うかもしれない。
自分の中の刷り込みの根深さにも気づく…

 

そんなことを考えながらのコロナ禍。

 

わたしは非常に愛想が無く、そのことを自覚していつつも、自分に対しては「もういいや」と諦めている…と思っていたのだが、会議でマスクをしていて「笑う必要ないのめっちゃ楽~!」とひとつ解放されたような気がした。
普段は「“こいつ女のくせに愛想ない”って思われてるんだろうな~」って卑屈な気持ちになるところを、「愛想がなくてもマスクしてたらバレない!Yeah」といった具合に。

「諦める」という選択をすることで、意識していないつもりになっていたけれども、やはり「女性としての役割」をこなせていない自分に少し肩身の狭さを感じていたのかもしれない。

(そうでなくてもリアルで顔を合わせなくて済むコロナ禍。対面だとどうしても緊張してしまう打合せでも発言できるようになったりして、コミュニケーション下手にはありがたい側面もある期間だった…)

 

「今日も一日家にいてほとんど話さなかったな…」なんてことが増えて、表情筋が衰えてますます感情表現が乏しくなっていくのを感じる。恐らく老若男女そういう人は多いことと思う。

コロナが終わってマスクを外すことができるようになった世界では、一旦愛想の概念がリセットされてもう少し楽にならないかな…と望んだ次第でした。