社会的なパグ

フェミニストなのに広告会社にいる。迷いながら生きています。

菊池風磨に捧ぐ

もともと女性アイドルを追うのを専門にしていたわたしが、ある日急に菊池風磨くんにハマった。

きっかけは、先日体調を崩して会社を2か月休職していた時。
岡田君が土方役を務める「燃えよ剣」の映画を観に行った。そこで沖田役の山田くんがめちゃくちゃよくて、とにかく山田くんを摂取すべくYoutubeの海をさまよっていたところ、ジャにのちゃんねるに出会った。そこから、気づいたら見事に風磨くんのファンになっていた。

もともと風磨くんのことはなんとなく知っていて、「バベル九朔」のドラマではっきり認識するようになった。ジゃにのを見始めた時はバベルの子だ、くらいの印象だったのだが、ジャにのでの八面六臂の活躍ぶりにすっかり目を奪われた。
そこから風磨くんの出演番組をチェックするようになり、手始めにrepaintingのDVDを観たり、アルバムを聴いたり、シングルを集めだしたりした。おかげで2か月の休職期間はわたしにとって非常に充実した時間となった。

(話は逸れるが、わたしは15年ほど前めちゃくちゃウエンツにハマっていた。好きになったきっかけが「さんま御殿」で爪痕を残そうと焦ったウエンツが「僕、痔なんです!」と叫んだことだった。
下ネタを言ってほしいわけではないが、「冒険少年」でノーパンを告白した風磨くんはめちゃくちゃ輝いていて、あの時のウエンツと重なって見えた。しかもTVerで見返してほしいからという非常にクレバーな言い回しだったのも惚れる)

ジャにのやバラエティ番組で見せる面白さももちろんのこと、歌番組ではすごくかっこいいところにも舌を巻いた。どこでカメラが来て自分がどう抜かれるかをしっかり把握して、狙ったところでガッ!と決めてくる。
日頃から自分の魅せ方を研究し尽くしていることを感じる。頭いいなぁ~

さらに彼は慶應卒の秀才だという。AOで受かったものの、高校生の頃はジャニーズの活動と両立して勉強もめちゃくちゃしていたらしい。
トークィーンズ」ではモテるから大学進学した、と語っていた風磨くんだが、「徹子の部屋」では「おじいさんから『大学に行くことで縦横につながりができる』と言って進学を勧められた」と話していた。櫻井翔くんとのつながりができたり、お仕事でも慶應卒つながりは役に立っているだろう。おじいさんのお言葉通り、きっと自分の力にされていることと思う。


さて、話は変わるがわたしはフェミニストだ。
ここからはフェミニストのわたしが勝手に風磨くんに期待してしまうことをつらつらと書いていく。
Sexy Zone及びセクラバの人からしたら大きなお世話なのかもしれないので、もう本当に独り言を吐き出したいだけなのだが、もし少しでも同意してくれるセクラバさんがいたら嬉しいなと思う。

2019年の上野千鶴子先生による東大入学式の祝辞を抜粋したい。

あなたたちはがんばれば報われる、と思ってここまで来たはずです。ですが、冒頭で不正入試に触れたとおり、がんばってもそれが公正に報われない社会があなたたちを待っています。
そしてがんばったら報われるとあなたがたが思えることそのものが、あなたがたの努力の成果ではなく、環境のおかげだったことを忘れないようにしてください。
あなたたちが今日「がんばったら報われる」と思えるのは、これまであなたたちの周囲の環境が、あなたたちを励まし、背を押し、手を持ってひきあげ、やりとげたことを評価してほめてくれたからこそです。世の中には、がんばっても報われないひと、がんばろうにもがんばれないひと、がんばりすぎて心と体をこわしたひと...たちがいます。がんばる前から、「しょせんおまえなんか」「どうせわたしなんて」とがんばる意欲をくじかれるひとたちもいます。


希望溢れる入学式でいきなりこんなことを言われたらびっくりするだろう。

大学に合格したこと、そしてストレートで卒業したことは、紛れもなく風磨くんの努力の賜物だ。ただ、ジャニーズの沼に片足を突っ込んでしまったフェミニストとして、環境のせいでがんばれない人たちの存在も風磨くんにはぜひ知って欲しいのだ。

わたしはかねてより男性アイドルの在り方に疑問を持っていた。男女の恋愛関係を模して女性ファンを必要以上に煽るようなものだという偏見があった。
そういう一面もあると思うが、風磨くんを見ていてそれだけではない、ということもたくさん知ることができた。
風磨くんご自身が嵐に憧れてジャニーズに憧れて入所したこと、他にもたくさんのジャニーズのタレントさんが同様に先輩に憧れて入所していることを知った。ジャにのちゃんねるでのメンバーのわちゃわちゃ感からはホモソの匂いがしてこなくて、ジャニーズなんて質の悪い男子校のような雰囲気なんじゃないかと偏見を持っていたわたしはえらく感動した。Sexy Zoneのファンの名称を性別を限定しない「Sexy Lovers」に変更したエピソードなども知って、ジャニーズは必ずしも女性を対象としてはいないのかなと思うようになった(もちろんファンの大多数は女性ではあるのだが)。

テレビではSDGsや多様性を連呼しながらも、まだまだ古い感覚の番組がたくさんある。
メディアに勤める人間の感覚が古いのだから当然の結果だが、見ていて情けない気持ちになる。
(テレビが孕む問題点は 「テレビは見ない」というけれど という本に詳しい。まじで余計なお世話だが風磨くんにも是非読んでほしい。頭のいい彼なら絶対にわかってくれるはずだ)

honto.jp


わたしがSexy Zoneそして風磨くんに勝手に期待しているのは、このくそみたいな倫理観がはびこるメディアに風穴を開けてくれるのではないかということだ。

正直、Sexy Zoneが進んでいるかというと、そう言いきれないところは多分にある。
誕生日の時に送られてきた動画でケンティーが「今日は彼女の誕生日だから」と言っていて、これ男性ファンの時はどうしてるんだろう?と思ったし、SZ10thの劇場版PEACH!の出だしも「全ての女子が胸キュンする」と書いてあって、ファン歴が浅いながらもそこはSexy Zoneたるもの「全人類が胸キュンする」のほうが適切なのではないかと思った(別に彼らのプライベートの恋愛対象がなんであってもいいのだが、アイドルとしては性別を限定せずに世界中をキュンとさせてほしい)。そして勝利くんから「そろそろ佐藤の苗字になってくれない?」と言われた時には鬼の形相で「だが断るッ!」と思った。もちろん風磨くんの全裸ではわたしは笑えなかった。

しかし一方で、風磨くんはジャにので「スタイルの悪い人」ではなく「スタイルに自信のない人」と言い換えられる想像力がある。「トークィーンズ」での女性芸人に対する対応や「ニノさん」でのガンバレルーヤとの関係性を見ていると、従来の「女芸人に群がられるジャニーズ」というステレオタイプにとらわれない形で番組を面白く組み立てることができるのが風磨くんの魅力のひとつだと感じている。

風磨くんは自他ともに認める「ジャニーズらしくない」タレントだという。ジャニーズに詳しくないのでわからないが、かつてドッキリで全裸にさせられたジャニーズはいないだろうから、恐らくその通りなのだろうと思う。
最近は他のジャニーズもバラエティ番組での活躍が目覚ましいが、その中で先陣を切っている姿からも、「邪道」を続けていくことで王道にしてきたという地盤の強さを感じる(このあたり、ももクロとも共通するところがある)。

歴史あるジャニーズの中でもステレオタイプをぶち壊しながら進んできた風磨くんだからこそ、メディアを変えるきっかけになり得るのではないかと夢を見てしまう。
新しい時代を作ってくれないかな~