「結婚の奴」トークイベント@代官山蔦屋書店
この前行った能町みね子さんと元SDN48 大木亜希子さんのトークイベントのメモ。
「結婚の奴」は能町さんがゲイライターのサムソン高橋さんと”恋愛関係に成り得ない結婚生活”(単なる同居とかルームシェアではない)に至るまでのWEB連載で、今回はその出版を記念して、「恋愛ではない異性と生活を共にしている」という共通点を持つ大木亜希子さんを招いてのトークイベント。
ラフレだし能町さんはずっとファンだったけど、大木さんはお名前だけ知っているくらいだったので、こんなにファンになるとは思わずびっくり。
トーク内容はお互いの書籍を紹介しながら、書かれていない行間の部分についての質問をし合ったり。その中でも能町さんが「結婚というものが重すぎる。結婚という言葉にあまり意味を持たせたくない。特に恋愛関係にない女性同士でも”結婚しました~”とか言える世の中にしていきたい」みたいなこと(記憶なのでかなり意訳)を言っていたのがとても深く刺さった。
31歳なのでお年頃的に「結婚」はすごく意識しながら生きてるし、「結婚」の型式が現代に則してないんじゃないかなぁ~ってもやもやをものすごく抱えていて。だからこそ事実婚なんてめんどくさい選択肢を選んでいる。
でも一方で夫のお母さんは「事実婚なんて訳わからん、女は男の苗字に変わるのが嬉しいってもんじゃないの?」ってタイプなので、たまに「彼の母親に併せて籍入れた方が良いのかな~」って迷うこともある(けれど、一周して自分の気持ちに正直になるのが一番だという結論になり、今に至る)。
こんなわたしがなにを以て「結婚」と定義しているのかというと、「もともと他人だった2人が1つのチームになって協力しながら生活して人生を進めていく」ということかしら。
なので、お互いの人生に踏み込んだり。必要とあらばお財布も統一にして生活していく。お金を稼いで家事をすることもできる方が分担し合って。子供を持つことがあれば平等に責任を持ってその子の人生を預かる。
わたしたちには今のところ子供はいないけれど、うまくやれているのではないかと思う。片方の仕事が忙しい時はもう片方が先に帰って料理や洗濯をする。休日も余裕がある方が率先して(掃除だけはわたしの方が多くやってるかな、と思うけどw)。年に何回かはお互いの家族とご飯を食べたりといった「親戚付き合い」もする。見た目的には入籍した夫婦と何も変わらない。
たまに「事実婚なんです」という説明をすると、「で、籍はいつ入れるの?」と言われたり(籍を入れないという概念が無いので一時的なものだと思っている)、そもそも説明しても理解できなくて「???」となる人がいて、驚くことには年配の人だけではなくて、同世代の人にも理解されなかったりして、年齢とかの問題じゃなくてその人の考え方の問題というか。
能町さんですら「結婚しないと完成系になれないと思っていた」というくらいなんだから、幼い頃からの刷り込みを崩すことの難しさを感じる。こんなんじゃ夫婦別姓なんて夢のまた夢だよ…
(余談だけど、わたしは「夫のお母さんとうまくやれてるの?」みたいな話になると「思想は合わないけど良い人だよ」と答えている。
山里亮太の親に会った際に「あんなに良い人たちと家族になれて嬉しい」と涙した蒼井優のエピソードが眩しすぎて「すごく良い人で、仲良くしてくれてるよ~」と言えない自分の性格に問題があるんじゃないかと思ったこともあったけど、自分の親だって分かり合えなかったりするんだから取り繕う必要ないよなって思えるようになった…思えるようになって良かった。
それにしても夫のお母さんはこんなに思想の合わない人を、内心はどうであれちゃんと「息子の妻」と扱ってくれて、本当に良い人だと思う)
会社の人とかどうでもいい人に言われる分には適当な返答をするけど、夫のお母さんに理解されてないんだよな~というのは申し訳なくなる時もある。今は自分の意思を優先しようと思っているけど、揺らぐこともある。
なので、能町さんの話を聞いて「やっぱりわたしは間違ってないんだ」と自己肯定できたのがとても嬉しかった…結婚の形式が現代に即していないのは事実だから。もちろん「嫁ぎたい」人はすればいい。でもその型が合わないんだったら、自分で型を作って行けばいいって改めて思えた。
実際、能町さん夫婦とわたしたちの「結婚」の定義も恐らく違くて、でもそれでいいし、各夫婦での型がもっとできていって欲しい。
みんなが各々の型を見つけられるといいし、それを当たり前のこととできる世の中にしたい。少なくともわたしの周りだけでも。