社会的なパグ

フェミニストなのに広告会社にいる。迷いながら生きています。

やりたいこととまずできることと

いまの会社に中途で入って4年くらい同じことをやっているので、もうお腹いっぱいだし、なにか他のこともやってみたいな~となんとなく考えていました。
いま自分が興味あることと言えばフェミニズムなので、そういう活動と仕事を紐づけられないだろうか、とか。そういう意識の高い取引先の担当になれないかな~とか。

自分の向かうべき方向が見えてきたこともあり、人事の方に異動願いを申し出て、人事→所属長→直属の上司、と話が入り、昨日上司と面談がありました。

わたし「もう4年くらい同じ担当をしているので、そろそろ担当を変えたいなーと思って」
上司「まあそうだよねー」
わたし「フェミニズムに興味があるので、女性のエンパワメントに繋がるような仕事や活動をしたいと思っています。今度、女性を研究してる社内プロジェクトチームにも話を聞きに行く予定です」
上司「なるほどー」

っていう感じで、上司もしょうがないよなーってテンション。
わたしが所属しているチームは、上司、わたし(8年目)、Aさん(2年目)の3人なので、わたしはチーム内ではそこそこの戦力になれていたと思う(思いたい)のですが、戦力を失うのは惜しいものの、まあ異動したいのに無理に止めることもできないし…って感じでため息。
もう4月の人事は固まりつつあるので、次にシャッフルできる10月を目指して、どうにか異動は叶いそうです。

上司「でも10月から忙しくなるから、どうしようかなー」
わたし「わたしがいなくなったら誰か入るんじゃないですか(他人事)。Aさんだってあと半年したらもっとできるようになってますよ」
上司「でもAは他にいろいろやりたいこともあるから、業務もそんなに詰め込めないしなぁ」
わたし「まぁとにかく誰かしら代わりが入るだろうから、どうにかなるんじゃないですか(適当)」

と面談は無事?終わりました。

最後、「わたしと比べてAさんはやりたいことがあるから」というニュアンスに引っかかったものの、「Aさんはこういう取り組みをしたいという具体的なビジョンがあり、自ら研修に参加したり積極的に動いているのに対して、わたしはフェミニズムをしたいという概念的な話で、具体的な目標がないから、”やりたいこと”にカウントされなかったのかな」と思い、そこはスルーしていました。

でも数時間経って面談の内容を反芻していた時に、「プロジェクトチームに入りたいっていう話したのに、わたしにはやりたいことがない、って文脈で話されるのってやっぱりおかしくない…?もしかしてフェミニズムを”やりたいこと”にカウントする概念がないのでは…?」という考えに思い至り、ハッとしました。


話が少し逸れるのですが、人事面談で相談に乗ってくれたのは女性の社員で、彼女はフェミニズムを仕事に紐づけたい、という考えに大いに共感してくれました。なんなら、「こんなに世の中で叫ばれているのに、会社が問題意識を持っていないことが問題だ」という話で軽く盛り上がりました。笑
ちょうどわたしとの面談の前に執行役員クラスが集まる会議に出席したそうなのですが、そこにいたのがほぼ全員昔気質のおじさんだったそうで「こんな会社で問題意識を持たせるのはかなり難しい…」と教えてくれました。

多分、そのおじさんたちに向かって「いま多様化が叫ばれてて、フェミニズムが”一部の偏ったうるさい女のもの”という偏見が無くなって、ようやく”すべての女性のもの”という本来あるべき姿になりつつあります。SNSでもフェミニスト的な発言もたくさん見られるようになって、世の中変わっていこうとしています」と話しても、「へーそんな世界もあるんだね」と流されちゃう。理解されるのは相当難しいでしょう。
どんなに現場がことの重要性を理解していても、決定権を持つ上の人は全然おおごとだと感じていない。「まあ一部の人には問題なんだろうけれども、全体からみたら大した話じゃないだろう」と後回しにしてしまう。
もう日本の縮図です。なぜ選択的夫婦別姓が可決されないのかが身に染みてわかる…


で、わたしの上司も同じことで、そもそも問題意識がないから、フェミニズムを仕事に結び付けたい、っていう概念が理解できなかったんだなと…
いつも大事なことに数時間経って気付くわたしのばか!引っかかってもその場でなんとなく流してしまって、瞬時に言い返せないのはわたしのほんとうに良くないところです…

上司はとても丁寧に仕事を教えてくれるし、関係者への礼儀も正しい、尊敬すべき上司です。上司がいまの上司に替わってから、自分が成長できたことも非常に感じています。
ただ日頃の雑談の中に何度も引っかかる発言があって、悪意が無いこともわかっているので、わたしは自然と一定の距離をとって接していました。自分の話もほぼしなかったし、だからキャリアの相談をしようとも思わなくて、上司から「できれば人事に行く前に相談してほしかった」と言われても「はぁ…まぁ言ったとて…」みたいな生返事しかできなかった。

これからフェミニズムを自分の周りに伝えていきたいと思っている人間がこれではいかん!
うざいとかめんどくさいとか思われても、良くないことはきちんと言わないとだめですね。。小さなことですがまずはそこから地に足をつけて頑張ります。