社会的なパグ

フェミニストなのに広告会社にいる。迷いながら生きています。

東浩紀が上野千鶴子に怒っていた件②

朝日新聞の相談コーナーに回答した上野千鶴子に対して東浩紀がガチギレしていた件、投稿内容をじっくり読んで、「これは相談者の方に問題がある案件なのでは…」と思った内容をブログに書きました。

 

 

isunoue.hatenablog.com

 

恐らく上野さんも似たような認識で、「今までのあなたに非は無かったのか?」という問いに記事の大半を割いています。
そして、以下のような趣旨で解決策を提示しています。

①妻との関係を修復したいとしても、もはや不可能なのでじっと我慢して生活をやり過ごす
②(セックスは不可能だとしてもなにかしらをしたい、とのことなので)もし生殖機能が無いのなら、メディア系の性商品を利用する
③スキンシップ欲を満たしたかったら、お孫さんかペットを抱きしめる

わたしがこの記事を読んで初めの感想は東浩紀がなににガチギレしているのかよくわからない」でした。

東さんのtwitterを遡ったところ、上野さんの一言を抜粋してガチギレしていました。
正確に引用すると、朝日新聞の記事内で上野さんは②の回答を「もしあちらの方が役に立たなくても」と書いているのですが、その言葉が彼の逆鱗に触れたようです。

そして再度思ったのは「話の論点そこじゃなくない?」です。

多分東さんも男性の方に非があると多少は思っているものの、「オッサン化した妻を女に戻す」などの言い回しが良くないな、とかその程度の認識なのではないかと推測します。

 

かりに男性読者の女性蔑視なり妻蔑視なりを嗜めるにしても(その意図はわかる)、最後にあんな下品なこと、それも身体機能に関わることを書く必要があるか?ってことですよ。フェミニストのみなさんは、まさにそういうところで尊厳について語ってきたのではないですか。

 

上記、東さんのtwitterでも引っかかるのは「男性読者の女性蔑視なり妻蔑視なりを嗜めるにしても」という部分です。
嗜めるって、軽く注意するくらいのニュアンスだと思うのですが、そのレベルじゃないことをこの相談者さんはやらかしている可能性があるわけで、東さんは新聞からそこを読み取れていないがために、「そりゃあこの男性だって少しデリカシーがないけれども、だからと言ってそんな侮辱するようなことを言ってもいいのか?」としてキレているのではないかと考えます。

この相談から読み取れること、そして上野さんが指摘していることは、記事の上だけの無神経な物言いではなく、その背景にある男性の身勝手な考え方です。
そして恐らく同居人さんは、何十年もの間、その無神経さに少しずつ心を削り取られて心を閉ざすに至りました。もともとすきで結婚したであろう夫に心を傷つけられるのはほんとうに辛いことだと思います。

ここからはもう個人の勝手な気持ちになってしまうのですが、同居人さんはもうずっとずっと心を傷つけられてきたんだから、新聞で上野千鶴子に叩かれるくらい良くない?というのがわたしのいち個人の意見です。同居人さんがされたことに比べれば、別に大したことなくない?というか、それくらい言わないとわからなくない?というか…
極論だけど、なんで被害者より加害者の方に気を遣わなきゃいけないの?と思います。

もちろん言い方にトゲはあるし、東浩紀みたいに怒る人が存在するのも理解できるのですが、それよりももしこの記事を読んで、「誰かが自分のことを理解してくれた」ことに同居人さんの心が少しでも救われたなら、上野さんが発言した意味はあるんじゃないかと思います。