社会的なパグ

フェミニストなのに広告会社にいる。迷いながら生きています。

「女性は大変ですよね」←なんに対して?

もやもやしたことを書き溜めようと…

わたしのチームは男性の上司+女性部下3人で、なので女性同士でたまに化粧品なに使ってる?みたいな会話をするのですが、それを聞いていた上司が「女性は大変ですよね」みたいな相槌を打つことがしばしばあり。
なんかその言葉を聞くといつももやっとしていたので、なににもやっているのかを考えてみようと思います。

まずこの文脈での「女性は大変ですよね」はスキンケアやメイクなど、日ごろのケアの工程が男性のそれより格段に複雑な人が多いことに対して出た言葉なのですが。

①そうでもない
②そもそも「女性は」「男性は」みたいな言い方がすきではない
③それでも「女性は」と言うのなら、そんなことより大変なことがたくさんある

みたいなことがぱっと頭に浮かびます。

詳しく書くと。

①そうでもない
まぁこれに尽きるのだけど…
年を重ねていろいろ知見が増えたからよりそう思うのかもしれないけど、特に最近は肌の改善を感じるのでいろいろ試行錯誤するのが楽しかったりするし、そんなに大変じゃない。
めんどくさいなと思うこともあるけど、そういう日はオールインワンのクリームを使うことで対応できるし、スキンケアとかメイクをなんのためにやっているのかというと自分のためなので、大変だと感じるならわたしはやらない。

②そもそも「女性は」「男性は」みたいな言い方がすきではない
上司が「女性は大変ですよね」と言う背景には「すべての女性は工程の多いスキンケアやメイクをするもの」というバイアスがかかっていることを感じる。もっと言うなら「女性は本当はやりたくなくてもスキンケアやメイクをしなければならない」というニュアンスがあるから「大変」という言葉が出てくるんだと思う。
いい加減、そういう偏見で生きるのはやめていただきたい…わたしの夫は男性ですが、血色が悪いのを気にしていてわたしの下地を貸してーとか言ってきたりする。
資生堂からも男性向けにBBクリーム出てるし、CANMAKEだっていつの間にか「女の子って本当に楽しい!」から「かわいい!に出会える」にコピー変えたんですよ。

③それでも「女性は」と言うのなら、そんなことより大変なことがたくさんある
そりゃあ確かに「女性は大変」なんです。でもそれは当然スキンケアの話じゃなくて、もっと社会的なことで。なので、スキンケアの話してる時に「女性は大変ですよね」って言われても、見当違いも甚だしいっていうか…


まとめると、「女性は大変ですよね」と発言することで、自分は女性の大変さを理解する男性である感を出しているつもりなのだろうけど、実は彼自身のジェンダーバイアスに基づいて発言しているので全然わかってないやんけ、っていうことにもやっとするのかな、というのがわかりました。
(なんなら、「女性は大変ですよね」って言ってればいいっていう意図が透けて見えるような…それはわたしが性格が悪いからかな?)

ちなみにこの上司、わたしはよくブログで悪口を書く取り上げていますが、わたしがなぜ夫婦別姓を選んだのかを懇々と熱弁した際に「うちの嫁さんはそんなめんどくさいことを言う人じゃなくてよかったわー」と言い放ったことがあって…
結婚する女性の9割が苗字を捨てている「大変」なことを「めんどくさい」と言い捨てておいて、よくもまあ「女性は大変」だなんてぬけぬけと言ったもんだな!

まじで人当りもいいし、仕事も丁寧に教えてくれて、上司としては非常に良い人だし有難いんだけど、わたしはこの発言を決して許しません…仕事のことはちゃんと相談しますが、それ以外のことはあんまり話さなくなりました。それでもこうして何日かに1回はもやっとしているので、無理解な人間と話すことの心労たるや…

しかしまたひとつ、なぜもやっとするのかがわかったので、次言われたら「そうでもないっすよ」と返そうっと!