社会的なパグ

フェミニストなのに広告会社にいる。迷いながら生きています。

主人とか旦那とかやめようと再度言いたいブログ

もうツイッターでは何回も何回も言われていることだけど、「主人」とか「旦那」とか「奥様」とかもう本当にやめてほしい。
友だちと話していて、ナチュラルに「主人が…」と話す子がいて本当にびっくりした。
思わず、「えっ夫のこと主人て呼んでるの?」と言ったらキョトンとされてしまった。

主人は、「主な人」と書く。
ググると、「一家の主」とか「自分が仕えている人」などの意味が一番始めに出てくる。
彼女は夫婦であつ森をしていて、夫が主導となり島を開拓しているので「島の主人」という意味では「一家の主」なのかもしれないが、彼女はあつ森ではなくリアルで夫のことを主人と呼んでいる。
もしくは、漫画に出てくるようなお金持ちの豪邸で、そこで働く執事とかが「主人」と呼ぶならわかるが、仮にこのような場合であっても妻は夫に「仕える人」ではない。

いずれにせよ「主人」という呼び名は、「夫(男。恐らく長男)が家の長となり、女子供がそれに仕えることで家を運営していく」という概念がまかり通っていたかつての時代の呼び名であって、令和の現状に即していない。
仮に夫が働き金を稼ぎ、妻は専業主婦として家を支える、という家庭であっても、それぞれが役割を分担して家を運営しているのであり、どちらが上とかそういうことではない。

旦那も同様で、「一家の主」という意味合いが大いにある。わたしの世代だと「亭主」と言う人はあまりいないけれど、いずれにせよこれらの呼び名は全て「夫の下に妻」という前提の言葉で大いに違和感がある。

「主人」や「旦那」を使っている人が、そこまで考えてないことも理解できる。
友人だって、本当に夫のことを目上の人だと思って「主人」と呼んでいるわけではなく、トイレを「お手洗い」と言うのと同じようにちょっと丁寧な言葉のつもりで採用しているんだと思う。
「旦那」だって、最近は非常にカジュアルな雰囲気になっているのもわかる(「ダンナ」と書くとよりそんな感じがするよね)。

でも、そうやって使い続けていくとそのうち言葉に飲み込まれてしまうような気がしてならない。本当の主人だと思っていなくても、「主人」と言っているうちに自分が下であるような気になってしまうのではないか。「主人」「旦那」「亭主」という言葉を使う限り、本当の平等なんて実現できないんじゃないか。
これは個人の感覚だけど、言霊って本当にあると思うんです。


反対に「奥様」と呼ばれるのも本当に苦痛で、別に奥にいないのに「奥」様ってなんなんだろう?わたしは奥に引っ込んでいるのではなく、社会に出て普通に生きている。
伊勢丹とかで買い物をすると丁寧に接してくださるものの、奥様と呼ばれると苦虫を噛み潰したような顔になってしまう…

以前、夫と指輪を買いに行ったら「女性様」「男性様」と呼ばれて、きっと指輪業界は既婚か未婚かにセンシティブだからそのような呼び方をしているのかなと思ったけれども、ただ「HE」「SHE」と区別されているだけで、言葉に意味合いが無くていいなと思った(しかし、同性カップルが来店した時はどうしているのだろう?別に「そちらのお客様」で良いんですけどね)。


中一の時の担任が「夫のことは連れ合いと呼ぶべし」と口を酸っぱくして言っていて、その時はよくわからなかったけど、自分のパートナーのことを平たく指す言葉が日本には無いことが今になってよくわかる…
「連れ合い」は言い慣れなくて恥ずかしいので、わたしは「夫」「おうちにいる人」などを使っている。誰かのパートナーを指すときは悩ましいものの、意識して「夫さん」「妻さん」と言うようにしている。耳慣れない言葉なので自分で使っていても違和感が少しあるが、いつかこの言葉がスタンダードになるといいな。